アモンケット雑感(ゾンビ編)
――ゾンビはお好きですか?
今までのゾンビのとらえ方と異なり、アモンケットでは「ミイラ」と言う解釈でゾンビをとらえている。(勿論普通の”ゾンビ”もいる)
『イニストラードを覆う影』や『異界月』のようにドロドロして異臭を放っていそうでおぞましいゾンビではなく、純白の包帯で包まれた清潔感のあるかわいらしいゾンビが多く収録されている。
それだけあって今までになかった白のゾンビが多く登場し、アモンケット環境での新しいゾンビデッキの可能性を示している。
さて、アモンケットには多くのゾンビ(具体的には不朽を除いて13種類)が収録されており、それ以外にもゾンビデッキを支援する多種多様なカードが登場している。
そんな多くのゾンビデッキ支援カードの中で特に注目しておきたいのは次の2枚。
・《黙考の時間》
盤面の展開に優れているゾンビデッキに置いて、このカードはほぼ攻撃orブロック口―チャー追放カードと化す。これが1マナとはびっくりだ。
《キランの真意号》のような飛行持ちクリーチャーには機能しにくいが、そこは流石黒、そういったカードは《致命的な一押し》で対処できてしまうのだ。
多くのデッキが2マナ3マナでクリーチャーの除去を行う中、ゾンビデッキはこれと《致命的な一押し》という優秀な1マナの除去を使用できるというわけだ。
・《呪われた者の王》
いつの時代だって軽いロードは重宝される。当然このカードもゾンビデッキには必須になるだろう。
起動型能力も最後の一押しにピッタリで、相手の巨大なクリーチャーの前に尻込みすることはもうなくなるだろう。
このロードが2枚並べば《焼けつく双陽》の全体3点火力からも自軍を守れる。本当に優秀な一枚だ。このカード単体でも《ショック》圏外なのはかなり偉い。
そのほかにも《疫病吹き》や《むら気な召使い》といった優秀なダメージソースも収録されたため、お互いにクリ―チャーが並ぶ後半の硬直状態を打開しやすくなっていることだろう。
次のゾンビデッキのカラーは、白黒はまず確定として、あとは赤か青をタッチすることになるんじゃないだろうか。やはり《安堵の再会》は入れたいし、《秘蔵の縫合体》と《ギサとゲラルフ》や各種墓地肥やしできる青のカードも採用の余地がある。そうなると白黒タッチ赤(場合によっては青も)といった感じか。
最後に、デッキを組む際にわかり易いよう各マナ域ごとのゾンビを整理する。
1マナ:《墓所破り》、《戦慄の放浪者》
2マナ:《無情な死者》、《むら気な召使い》、《瘴気ミイラ》(、《憑依された死体》)
3マナ:《戦墓の巨人》、《呪われた者の王》、《疫病吹き》(、《秘蔵の縫合体》)
4マナ:《憑依された死体》(、《ギサとゲラルフ》)
こうして見てみると、今までは優秀なカードがほとんどなかった1マナと2マナのゾンビが一気に増えたことがわかる。軽いゾンビが多いと《致命的な一押し》や《黙考の時間》といった除去を構えながら動くことが容易となり、相手の展開を阻害しつつこちらは優秀なクリーチャーをどんどん展開することが可能になる。
今まではローグデッキでしかなかったゾンビだが、アモンケットで収録された優秀な口―チャーを従えてトップメタに食い込んでいく日も、そう遠くはないだろう。
アモンケット雑感(除去)
アモンケットのカードギャラリーを一通り見たので、とりあえず除去カードに関してつらつらと。
今回はトーナメント(スパイク)目線です。
・《賞罰の天使》
白が濃いミッドレンジや、コントロール色が強めのデッキに採用される可能性がある。
パーマネントであればどれでも追放できるため、PWや各種アーティファクトもメインから無理なく除去することを可能にする。
タフネスも4で、多くのパワー3クリーチャーや素の《蓄霊稲妻》を耐える。万一除去されたとしても不朽のおかげでもう一度除去のチャンスがある。(普及するとプッシュの範囲内に入ってしまうことに注意)
同じマナ帯には《大天使アヴァシン》という強力なライバルがいるが、そこはデッキタイプによってすみわけができるだろう。
・《排斥》
ぶっちゃけ(サイクリングが付いているとはいえ)4マナは重すぎるため、構築レベル化と言われるとかなりギリギリのラインだが、エンチャントに対しては割と寛容なこの環境ではほぼ《完全なる終わり》として機能するだろう。
・《マグマのしぶき》
《屑鉄場のたかり屋》の事を考えるとこの再録はかなりうれしい。PWに飛ばないため《ショック》をすべてこれに変えて良いとは言わないが、何枚かこれに差し替えたり、サイドから差し替えたりすることになると思う。
・《焼けつく双陽》
これを待ってました!シリーズ。とりあえずランプや赤系のスペルデッキの再度、場合によってはメインから採用されるであろうカード。
《神々の憤怒》のように追放効果はついていなかったが(まあ再録しちゃったら不朽全否定になっちゃうからね)、サイクリングは地味にうれしい。てかこれのおかげでメイン採用もワンチャン出来たわけで。
マルドゥ機体をなんとかこれで抑え込みたいところだが…。
・《不帰》+《回帰》
ふざけんな!シリーズ。相変わらずインスタントの除去は出したくないらしい。
《破滅の道》と選択になるが、そもそも破滅の道の覚醒を使ったことなど片手で数えるほどしかないため、こちらに差し替えても良いだろう。なにもないよりはまし、と言うやつだ。
・《木端》+《微塵》
《炎の切りつけ》と言うカードが過去にあったが、そこにおまけを付けたら1マナ重くなりましたよ、というデザイン。
《キランの真意号》に効かないのは痛いが、カリタスやアヴァシンにまで効くのはありがたい。おそらく多くの赤いデッキにメインから数枚は投入されると予想。
余波の方はおまけに近いが、アグロデッキであれば消耗戦後の一押しになるのはありがたいかも。
活躍予想ランキング
1位《木端》+《微塵》
2位《焼けつく双陽》
3位《賞罰の天使》
4位《マグマのしぶき》
5位《不帰》+《回帰》
6位《排斥》
たぶん《木端》は500円ぐらいにはなると思う。《賞罰の天使》はレアリティのことを考えると1,500円ぐらい? 《焼けつく双陽》も500円ぐらいかもね。
完。
【雑記】巧技サイクルの話
霊気紛争のカードで一通りデッキを組み、ある程度の1人回しを進めていく中で感じたのは、
「巧技サイクルがどれも強い」
ということ。
そもそも巧技というのは、自身よりも点数で見たマナコストが1小さい呪文を唱えられるという効果を持っており、その効果を最大限に活用した場合、実質1マナソーサリーとして機能する。
(もう少し正確に言うと、怒涛で1マナになるソーサリー?)
こう考えるとどの巧技も破格のスペックを持つスペルに思える。
《スラムの巧技》
実質1マナで1/1トークンを3体生成。最近のカードで言えば《軍族童の突発》 が近いだろうか。あれが3マナだったと言うことを考えると相当のパワーカードだということがわかる。
これで3マナニッサやリシュカーを一緒に出した暁には、相手は憤死すること間違いない。
4マナというのもそこまで気にならない重さで、多くのトークンデッキにすんなり多投できるんじゃないだろうか。
トークンデッキだけでなく、即席を多く利用するデッキや、アーティファクトシナジーに注目したデッキにも入るだろうね。
《バラルの巧技》
実質1マナで3体バウンス。自分のクリーチャーもバウンスできる。
3体バウンスは、実質フルバウンスと言っても過言ではないと思う。《岸の飲み込み》を使うためには青を濃くせざるを得なかったことを考えると、これは相当使いやすいカードに思える。
自分のクリーチャーを戻せるのを面白く、4マナ以下のcip持ちクリーチャーを回収しつつ効果で再び出す動きは一度はやってみたい。
これを唱えた後にギデオンやドビン、テゼレットを出せたら投了されてもおかしくはないね。
《ヤヘンニの巧技》
1マナで全体-3/-3修整。最近お馴染みの効果で、大体の場合3マナに設定されている。それを考えると……あまりにもパワーカード。
これの強さに関しては散々言われているからもうあんまり語らないけど、とにかくこの後にリリアナや破滅の道を唱えたら最高ってことは真摯に伝わってくる。
《カーリ・ゼヴの巧技》
1マナで強化版《反逆の行動》。かなりおかしいことが書いてある。
アグロデッキにこのカードを組み込むのは全くおかしなことではないと思う。このターン限定で相手のクリーチャーを1体ブロック不可にしつつ打点を上げ、更に2マナ以下のクリーチャーを展開、そう考えるとアグロにとって何ら無駄な動きではないことがわかると思う。
ヤヘンニと組み合わせれば、奪った後死体にして返すことができるため相当のアドバンテージを稼ぐことができる。
《リシュカーの巧技》
はっきり言って、このカードは巧技サイクルの中でも飛び抜けて強い(言い切り)。対応して除去が飛んでくる可能性があるとは言え、最低でも2枚はドローできるだろう。3枚ドローできたら《調和》になり、4枚ドローできたら《連絡》だ。でも5マナのスペルを唱えたら実質1マナ。どんだけ壊れてるんだと。
重いカードの宿命で、カウンターにはすこぶる弱いけど、逆に言えばカウンターされなければアドバンテージ差はもうひっくり返せないほどに広がる。
ドローしつつ盤面に触れるのは本当に偉く、オブニクシリスや黒巧技、燻蒸なんかを唱えられると最高に気持ちがいい。勿論緑ギアハルクでも良し。
とにかく、巧技サイクルはどれも強い。このカードをがすんなり組み込めるデッキが出来るかにはよるけど、多分今後はトーナメントレベルで多く見かけることになるんじゃないかな。特に緑巧技は今回の大穴枠になるんじゃないかと確信してる。
(こういうことを自信満々に書くと大体外れる)
霊気紛争で使う予定のデッキのお話し【白緑】
はっきり言おう。
次の環境のキーワードは「3」だ。
何の数値かと言うとこれだ。
ヤヘンニの巧技は間違いなく次の環境を定義する除去札になる。多くの黒を含むコントロールデッキないし重めのデッキが複数枚デッキに入れるはずだ。《衰滅》には一歩及ばないマイナス修正だけど、《呪文捕らえ》や《反射魔道士》が蔓延る今の環境には十分の一枚だと思う。これ+《破滅の道》や《最後の希望、リリアナ》なんかを唱えられたらひとたまりもない。
とにかくこのカードは《衰滅》同様クリーチャーのタフネスを定義する、つまりタフネス4以上であることを求めてくる一枚になるのは間違いない。
※ここまでの考察が間違っていたら以降の話は茶番になりかねない
霊気紛争で自分が一番気に入っているカードがこれ。
《ピーマの改革派、リシュカー》は《サリアの副官》同様自軍を強化するカードで、さらにマナブーストまで行える。他にクリーチャーがいないと無駄牌になっちゃうけど、まあクリーチャーデッキにすればたぶん大丈夫(と思う)。
で、こいつと最高に相性がいいカードがある。
ね?
こいつにカウンターを乗せればさっき言ったタフネス4以上になるし、警戒とマナ生成能力も最高にマッチしてる。イラストもなんだか似てるし、きっとこの二人はコンビになるために生まれてきたんだと思うよ(適当)。
ぶっちゃけてしまうと、自分はスタンにおける紛争能力はかなり使いづらいものだと思っている。
手がかりは紛争の助けになるとしてよく挙げられるけど、手がかり起動のために2マナを消費しているのだからそのターンに紛争能力を持つカードをプレイするのは結構厳しい。手がかりに頼ると2,3ターン目に紛争を使うのは絶望的だ。
勿論《進化する未開地》は紛争の助けになるカードとして十分に使える。しかし未開地に頼ると紛争をするターンの土地はタップインすることになり、これまた1マナ分のテンポロスになる。なかなか難しい。
一応《無私の霊魂》も紛争の助けになるかな。でも紛争のために必要もなくサクる余裕なんてあるのだろうか?
といいつつこいつには期待してる。
このカードはその性質上序盤にプレイする必要が無い。というか意味がない。後半に墓地にクリーチャーが貯まってきたタイミングにこそ有用なカードで、未開地を出してもあまりテンポロスにならない後半に悠々と出すことができる。これで4/5になった《森の代言者》を出せたら最高に気持ちいいはず。
《サヒーリ・ライ》と《守護フェリダー》のコンボが怖い。
どこまで上がってくるのかはわからないけれど、たぶんカラデシュ環境の《霊気貯蔵器》デッキぐらいには水面下で流行るデッキになると思う(この辺りはプロたちがどの程度仕上げてくるかによる)。
理不尽な殺され方をされるのはいつだって嫌なことだから対策したいわけだけど、ここにうってつけのカードがある。
出てきた守護フェリダーのトークンをすべてタップさせるため、実質フェリダーコンボは不成立となる。《領事の権限》とかも同じく牽制カードになるけど、こちらはカードパワーがいまいちだからパスで。(そもそもそこまでして対策すべきほど流行るとは思えない)
で、実はこのカード、ちょっとした紛争対策にもなっている。何と《進化する未開地》をタップインさせちゃうのだ!
話しの流れでわかったと思うけど、自分は次の環境では『白緑アグロ』を組むつもりでいる。割とグッドスタッフに近い形になるんじゃないかな。
ま、とにかくデッキリストを見てもらおうかな。
○緑白アグロ
≪クリーチャー≫(25)
4 スレイベンの検査官
4 導路の召使い
4 森の代言者
2 無私の霊魂
3 ピーマの改革派、リシュカー
2 異端聖戦士、サリア
1 改革派の結集者
3 新緑の機械巨人
2 大天使アヴァシン
≪スペル≫(11)
2 鑽火の輝き
3 停滞の罠
2 霊気圏の収集艇
4 ゼンディカーの同盟者、ギデオン
≪土地≫(24)
10 平地
7 森
3 梢の眺望
4 進化する未開地(赤字は霊気紛争での新規カード)
兎にも角にもグッドスタッフ寄りのデッキ。特に緑ギアハルクとリシュカーの強化は重要で、これによって《ヤヘンニの巧技》や《闇の掌握》からクリーチャーを守っていきたいところ。
霊気圏の収集艇については後日語る予定。とにかく今言いたいのは安いうちに予約しておけってこと。
てか、結局ギデオンが使いたいだけなんじゃ…
MTGを始めたいと思っているあなたへ
まず前提として、あなたがMTGを始めたいと思っていて、ルールやカードに関してある程度の知識を持っているとします。勿論この時点ではデッキやその他のサプライは持っていなくて構いません。
さて、そんなあなたをプレイヤー達は快く迎えてくれるでしょう。ようこそMTGの世界へ! こんにちは新しいプレインズウォーカー君!
…でも、一体どうすればMTGの実戦を楽しむことができるのでしょうか?
そこで、今回は次の3つの場合に応じてあなたに勧めたい行動を紹介します。
①周りにMTG経験者がいる場合
②周りにあなたと同様MTGを始めたいと思っている人がいる場合
③周りにMTG経験者も一緒に始める人もいない場合
あなたがこのどれであっても心配することはありません。MTGはとても間口の広いゲームなのですから!
それでは①から順番に紹介していきます。
①周りにMTG経験者がいる場合
ある意味一番恵まれている場合です。あなたがすべきことはただ1つ。
一緒に対戦してもらうことです。
さて、正直なところいきなり大会に行くのはお勧めしません。
というのも、やはり赤の他人といきなり対戦するのは敷居が高いものです。実戦を重ねていなければルールに躓くことがあるでしょうし、何度もカードのテキストを確認させてもらう必要があるでしょう。
そういったコミュニケーションに抵抗がなければ問題ありませんが、やはりいきなり赤の他人である対戦相手に色々質問するのは緊張しますし気がひけるでしょう。
そこでまずは身近な人間と気軽に対戦するのがお勧めです。
ルールがわからなかったら時間をかけてしっかり教えてもらいましょう。もしどのカードをプレイしたら良いか判断に迷ったら、手札を見せて一緒に考えてもらうのも良いでしょうね。もしかしたらテクニックを教えてもらえるかもしれません。 (やったね!)
さて、次にあなたがすべきことは自らのデッキを持つことです。
きっと対戦を重ねるうちにあなたの好きなデッキタイプがわかってきたと思います。勿論仲間と相談して一緒にデッキを作るのも良いですね。また、インターネットで色々調べてみるのも良いでしょう。
高いカードを買うのには抵抗がある? 問題ありません。世間には安いデッキのリストが沢山転がっています。場合によっては経験者が余っているカードをくれるかもしれません。まずはそうやって安めのデッキを作ってみましょう。
ちなみに1つアドバイスを。理由は長くなるの省略しますが、「アグロ」タイプのデッキを選ぶと安くすみます。しかも扱いも容易です。
②周りにあなたと同様MTGを始めたいと思っている人がいる場合
お待たせしました! 次は、MTG経験者は周りにいないけれど、同じくMTGを始めたいと思っている仲間がいるあなたです。
お互いデッキを持っていないし、実戦の経験もない。そんなあなた達がすべきこととは?
まずは「プレインズウォーカーデッキ」を人数分買いましょう。
勿論いきなりネットの情報を元にデッキを構築するのも良いですが、まずは足並み揃えて構築済みデッキであるプレインズウォーカーデッキを買いましょう。
これは2種類(2016年11月現在)があるのですが、どちらを買っても特に問題ありません。あなた達が2人であればそれぞれ別のデッキを選ぶと良いですね。
足並み揃えるというのが大事で、どちらか一方がいきなり強力なカードを備えたデッキを組んでしまうとデッキパワーに明確な差が出てしまいます。これだとどうしても一方的な試合になりがちで、お互いにあまり面白くない試合になってしまいます。
ですので、初心者仲間であればしばらくの間はある程度の制約をつけて足並み揃えながら成長していくのが良いでしょう。
③周りにMTG経験者も一緒に始める人もいない場合
では、周りにMTG経験者がおらず、しかも一緒に始める人もいない場合はどうしたら良いのでしょうか。
まずは全力で一緒に始める人を探しましょう。または友人知人を誘ってみましょう。
これが一番手っ取り早いです。探してみれば案外近くに同じ趣味を持つ人がいるかもしれませんよ。
でも結局周りに始める人がいなかった、見つからなかった場合、さてどうしたら良いでしょうか。そこで今度はその方法を紹介します。
⑴は最もオススメの方法です。まずはtwitterやfacebookなどでMTGを楽しむ人に接触してみましょう。きっと快く歓迎してくれるはずです。もしかしたらskypeなどを通じて対戦をしてくれるかもしれませんし、実際に会って対戦してくれるかもしれません。
⑵〜⑷は⑴以前の方法とも言えますが、もしあなたがいきなり大会に参加することを考えているのであれば、まずはその雰囲気を知りましょう。その中でどういったプレイマナーが求められているのか、どういったサプライが必要なのかを知るでしょう。大きな大会であれば解説などが聞けるかもしれません。
さて、これであなたのすべきことはわかったでしょうか? これからMTGを始めるにあたって具体的にどんな行動を起こせば良いか決まりましたか?
オーケー。決まったら善は急げです。早速行動に移しましょう。MTGは奥深いゲームです。あなたはその世界の入り口に立つことができたのです。さあ、その一歩を踏み出してみましょう。
これからのあなたのMTGライフに祝福あれ!
そろそろ思い出してあげて欲しい「アクームの火の鳥」
こんなカードがあったこと、覚えてますか?
(一応)戦乱のゼンディカーの神話レアだったこのカード。
《アクームの火の鳥》
正直話題にすらならなかったこのフェニックスではあるが、一応フェニックスらしさである墓地から戻ってくる能力は持っている。
上陸時に6マナ払えば戦場に……
ごめん、あってないようなものだね
冗談はともかく、と言いたいところだが実際に6マナというコストはあまりにも重く、終盤に6マナ3/3飛行速攻を出したところで…。と言いたくなるのが現状だ。しかも上陸するのはほとんどの場合ソーサリータイミングであるため奇襲性にも乏しい。
マストアタックというのも痛い点で、取り敢えず第二メインに出せば一度はブロッカーとして機能するものの、それ以降はただただ突っ込むだけの鳥になってしまう。
…とここまで否定的な面だけを述べてきたが、実のところこのカードは環境的には追い風となっている。
今のフライヤーの主体であるスピリットの多くはパワー2以下タフネス3以下でこのカードを止めることができない。特に永遠の見守りなどで警戒を持たせれば鉄壁の守りとなる。
追放除去が無い赤青系のコントロールにも強く、キャスト時に虚空の粉砕されなければそれ以降二度と止められない3点火力と化す。
到達がほとんどいない環境下では、終盤に3点とはいえ確実なダメージ稼ぎになる。特に消耗戦後のお互いリソースが尽きた後も土地が火力になるというのは中々に強力と言えそうだ。
もう少しシナジーに寄せて考えることもできる。
苦しめる声や安堵の再開などのコストにすればゾンビの様に墓地から戻る戦力になるし、当然秘蔵の縫合体も一緒に連れてきてくれる。
ミーナとデーンと組み合わせれば毎ターン上陸が約束されるため、確実に能力を使うことができる。トランプルを持たせれば無私の霊魂や鎖鳴らしを貫通することができる。
とここまででアクームの火の鳥についてやや過大評価気味に紹介してみたがいかがだろうか。
何? 少し使いたくなってきた? じゃあ早く病院へ行こうね。
そんなことを書きながら使ってみたくなってきた自分がいる
ファン部屋から見る格安デッキ
Magic Online(以下MO)には構築デッキのフリープレイができる部屋がある。その部屋は更に4つの項目に分かれており、その中の1つにJust for Funという部屋がある。所謂ファン部屋であるこの部屋は、主にカジュアルにMTGをプレイしたい人がマッチングされる部屋で、ティミーやジョニー、ヴォーソスなどが主に利用しているようだ。
カジュアルといってもいくつか視点があり、
・ティミーの視点:
トーナメントではあまり使われないがサイズが大きかったり効果のインパクトが大きい呪文を相手に叩きつけたい
・ジョニーの視点:
決まるのが難しい無限コンボや強力なシナジーを披露したい。マイナーなカードを主軸にした珍しいデッキを試してみたい
・ヴォーソスの視点:
ストーリーに沿った呪文の選出をし、フレーバーに富んだデッキを回してみたい。特定のクリーチャータイプでまとめた部族デッキで相手に立ち向かいたい
そして一番大きい勢力である
・セイバー(節約家)の視点:
できる限りかけるお金を減らしながら勝てるデッキを模索したい。強力なレアに立ち向かえるコモンやアンコモンの群れを作り出したい
という視点がある。
勿論複数の視点を持ってして作られたデッキと対戦することもある。
さて、この中のセイバーの視点をもってして作られたデッキはファン部屋での1大勢力で、普段トーナメントシーンでは見かけないコモンやアンコモンで構成された秀逸なデッキをいくつも見かける。
こういったセイバーの視点をもってして作られたデッキは、現実でデッキを組むときかなり参考になる。
特に始めたばかりの入門者にとっては一枚1000円以上もする強力なカードを買うのは少々気がひけるだろう。そんな時、安くてある程度の強さの水準を備えたセイバー達のデッキは注目に値するものだろう。
ということで、今回はそんな彼らの使う格安デッキを紹介していくとしよう。
①白黒同盟者
ファン部屋の中でおそらく一番使用率が高いこのデッキは、登場時から今の今までトーナメントではお目にかかれなかった同盟者に着目したデッキだ。
基本的には、同盟者を不断に叩きつけていき結集や支援を駆使することによって優位を保ったまま相手のライブを削り取るビートダウンの動きをとる。
特にカラストリアの癒し手と隊長の鉤爪の組み合わせは強力で、盤面を処理できる能力に乏しいデッキには致命的に刺さることになる。
《主なカード》
・探検隊の特使
・カラストリアの癒し手
・ドラーナの使者
・岸壁安息所の吸血鬼
・隊長の鉤爪
②赤緑狼男
変身することによってマナコストに対して大幅に強力になる狼男達を集結させて相手に迫るこのデッキは、ファン部屋に置いて赤緑エネルギーと双璧を成すステロイドのアグロデッキだ。
薄暮見の徴募兵やラムホルトの平和主義者のスペックの高さはトーナメントシーンで証明済みで、その他にも環境の陰に隠れた多くの優秀な狼男が存在している。
特に異界月で収録されたケッシグをうろつくものや爪の群れのウルリッチはこのデッキのスペックを更に引き上げたカートで、問題であった最序盤と終盤の動きも確実なものになった。
《主なカード》
・薄暮見の徴募兵
・ガイアー岬の山賊
・爪の群れのウルリッチ
・吠え群れの復活
③赤黒マッドネス
赤黒マッドネスという名前自体はトーナメントシーンでも見かけることがあるが、ファン部屋における赤黒マッドネスはそれと異なり、血統の呼び出し+ギラプールの宇宙儀の組み合わせをメインに据えたコンボデッキである。
マッドネスするカードは多種多様であることが多いが、普段見かけないような床下からやギザの招集をこのデッキで試してみる人が多いようだ。
地上はトークンによりガッチリと固められるため、上記のアグロデッキ達にはかなり粘り強く戦えるデッキになっている。除去も多く採用することができるため、ある意味除去コンとしての側面もありそうだ。
《主なカード》
・苦しめる声
・精神病棟の訪問者
・血統の呼び出し
・ギラプールの宇宙儀
④青白パンハモニコン
トーナメントシーンでよく見かける青白フラッシュにも採用される反射魔道士や雲先案内人はアンコモンであるため、意外に安く組めるのがこのデッキである。
青白フラッシュとは異なり変異エルドラージ+希望を溺れさせるもの+パンハモニコンの無限コンボを主な勝ち筋としたことデッキは、このデッキを知らない相手に対するわからん殺しにもなるようだ。
本質の変転や奇妙な幕間などの除去耐性も備えているため、ある程度引きが良いだけでトーナメントレベルのデッキをも凌駕する力を持つ。
雲先案内人や反射魔道士によって基本スペックが引き上げられているため、カジュアルのコンボデッキ特有の単体のカードパワーの弱さをあまり感じさせない。
《主なカード》
・変異エルドラージ
・希望を溺れさせるもの
・本質の変転
・パンハモニコン
⑤青単巨像
お馴染み金属製の巨像のマナコストを0にすることで体力に投入するデッキは、ファン部屋に集うの多くのプレイヤーの心を掴んだようだ。
多数のマナファクトを展開して金属製の巨像のマナコストが0にできればその猛攻がスタートする。ウギンの聖域によって追加の巨像が連鎖的に手札に飛び込んでくるため、一度展開が始まって仕舞えば止まることを知らない。
《主なカード》
・光り物集めの鶴
・予言のプリズム
・ウギンの聖域
・金属製の巨像
さて、今回はファン部屋でしばしば見かける格安デッキを5つ紹介した。実のところファン部屋で見かける格安デッキはもっとたくさんあるのだが、今回はその中で扱いが容易なデッキのみをピックアップするに至った。
具体的なデッキリストは記述しなかったが、恐らくデッキ名を検索すればいくらでもリストが出てくるため、詳しく知りたい場合は各自調べていただきたい。