トスカ式ブログライフ

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怒濤な現出のお話し

 怒濤…そんな能力ありましたね…。(”怒涛”ではない)

 

 1ターンに既にほかの呪文を唱えていた場合に使える代替コストである怒濤は、新イニストラードブロックに登場したマッドネスの陰に隠れてしまった感がある。どちらも多くの場合本来のコストより少ないコストで唱えられるという点では共通しているため、明確にアドバンテージが取れるマッドネスの方が魅力があるのは仕方がない。

 

 しかし怒濤はマッドネスと違い、その能力のための補助カードを入れる必要が無いという利点がある。(マッドネスを使うためには手札を捨てる効果を持つカードが必要)

 

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 さて、この怒涛をうまく使いこなせるカードは無いかと一晩考えた結果……

 

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 なるほどね!

 

 怒濤は本来のコストよりも少ないコストで唱えることのできる能力。それを生かすには、そのコスト差を利用するのが一番いい。ということはもともとのマナコストを参照する現出は、この怒濤と相性がいい。

 他にも病的な好奇心のようなカードとも相性がいいね。

 

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 さて、怒濤は0マナのスペルを絡めると2マナ相当のマナ加速になる。これを示す極端な例を挙げよう。

 

≪例≫

2ターン目 聖戦士の盾+ゴブリンの自在駆けを怒濤でキャスト

3ターン目 ゴブリンの自在駆けを生け贄にして老いたる深海鬼を3マナでキャスト

 

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 ね、すごいでしょ?!

 

 実際にこの動きがプレイアブルなのかどうかは置いておいて、とにかくこういったことができるのは実にロマンがある。(街の鍵やルーターのようなマナを支払わずに手札を捨てられるカードは一部あるが、)多くの場合手札を捨てるカード自体にマナがかかるためマナ域のジャンプが困難なマッドネスと異なり、怒濤はこのように1マナ以下のスペルを駆使することでマナ域のジャンプが可能になる。

 

 ということでこの怒濤と現出をからめたデッキを作ってみた。

 

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 結局マッドネスも使うんかーい!!!!

安いからこそ勧めたい! 《逆毛ハイドラ》

 プレビューで発表されてからずっと注目し続けているカードがある。

 

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 《逆毛ハイドラ》はほぼ毎回のようにセットに収録されるお馴染みの緑のハイドラで、今回も例によって例の如く豪快な能力を持っている。

 

 大きなクリーチャーは軽いコストの除去札で除去されてしまうとテンポを失いやすい。できる限り盤面に長く影響を与えたい。そんな願いを叶えたのがこのカードで、エネルギーさえあればほぼ確実に単体除去から身を守ることができる

 

 呪禁をつけるためのエネルギーはCIPで確保するため、戦場に出たタイミングで除去される可能性はあるが、あらかじめエネルギーを3つ貯めておけばその心配もない。

 

 さて、こんな素晴らしいハイドラなのだから、さぞかし高値で取引されていることだろうに……

 

逆毛ハイドラ/Bristling Hydra:カードデータ - Wisdom Guild

 

 安すぎィ!!

 

 その平均価格、なんと約100円(2016年11月現在)。ワンコインとは普通500円のことを指すが、この場合一回り安いワンコインである。

 

 

 確かに彼には大きな弱点がある。トランプルが付いてないのである。

 

 これは大きな弱点で、クリーチャーが並びやすい今のスタンダードにとって、回避能力を持たない中型のクリーチャーは大勢の小型クリーチャーの前にたじたじとなり易い。特に素のサイズがさほど大きくないこのハイドラは、小型クリーチャー2体でブロックされて1対1交換される可能性がかなり高いのだ(例を出すと、大きくなった《発明者の見習い》×2でブロックされると、能力を一回使っても1対1交換になる)。

 

 

 さて、こういったわけでどうしても鳴かず飛ばずな彼だが、それだからこそ是非格安デッキを作る上でのお供にして貰いたい。

 

 トランプルがないとは言え除去耐性と自身のパンプアップができるのは上々であるし、《憑依の外套》《気宇壮大》《街の鍵》なんかでその弱点を克服させてやればいい(幸いなことにここで挙げたカードはどれも安い)。更に、一度能力を使えば最大火力の《光輝の炎》からも身を守れるのもありがたい。

 

 もしこのハイドラを軸にデッキを組むなら『赤緑エネルギーアグロ』に仕上げるのがいいだろう。ほとんどのパーツが100円ほどで、デッキの総価格も5000円以内で済むはずだ。自分で使うにも、周りにいるmtgを始めたいと思っている人にあげたり貸したりするのにも丁度いい。

 

 このカードを使って、値段=強さ、ではないということを是非実感して欲しい。そしていつの日か……彼がプロツアーの優勝者のリストで燦然と輝いているのを見たいものだ。

 

デッキ制作に至る思考

 初っ端の記事として、まずは自分のMTGに関する取り組み方について書こうと思う。

 

 普段クリエイティブな活動をしているせいか、MTGに関しては対戦よりもデッキ制作の方にずいぶんと力を入れている。所謂”電波デッキ”と呼ばれるようなマイナーデッキから環境に即したガチデッキ、そして入門者に向けた格安デッキまでと、かなり幅広い方向性をもってデッキ制作にいそしんでいる。

 

 しかしながらこういったデッキ案は、実の所最初からこういったものを作ろうという目的を持って考えているわけではない

 というのも、多くの場合そのアイデアはとあるサイトを眺めていて思いつく。

 

 

 それは公式のカードギャラリーである。

magic.wizards.com

 

 一通りのカードのテキスト、イラストが掲載されているこのサイトは、デッキビルダーにとって至高の宝石箱のようなものだ。気になる効果を見つけたらすぐにそれと相性のいいカードを探し、そしてそれを軸にしたデッキを模索する。また、イラストを見てヴォーソス的にデッキを構築するのも良い。無限の可能性を秘めたこのリストは、古の秘宝を記した古地図のように私たちをアイデアの深淵に誘う。

 

 もう一つ紹介したいサイトがある。

 MTG Wiki

 

 MTGWikiは古今東西あらゆるカードのデータと詳細な説明、そしてそれらに関するいくつかのルール文書が掲載されている。

 もしカードギャラリーでとっておきの一枚を見つけた場合、自分は多くの場合真っ先にこのサイトを開く。そのカードの説明文に何かしらのヒントが載っているかもしれないし、もしかしたらその説明文に記された他のカードに対してさらに興味がわいてくるかもしれない。様々なカードが絡み合うように掲載されているこのサイトは、自分の思い描いたデッキの形をまとめるのに非常に役に立つ。

 

 

 そうやって新しいアイデアがある程度まとまってきたら、次は具体的なデッキの形にするためにそのデッキに入れるにふさわしい精鋭を探すことになる。

 

teamys.net

 

 自分はその相棒たちを探すためにこのサイトを使う。具体的なカードの検索が簡単にできるこのサイトは、瞬間的に湧いたアイデアをすぐさま形にするのに非常に向いている。「カードを引くたび」ならば『カード 引く』で検索し、「戦場に出たとき」なら『クリーチャー 戻す』などで調べることになる。

 そうして見つかったカード達をすぐさまリストへと入れ込んでいき(ありがたいことにこのサイトではデッキリストを同時に作ることができる!)、しばらくの後にそれは一つの完成されたデッキになるのだ。

 

 

 ジャンルに問わず、アイデアと言うのは生ものだ。一瞬の素晴らしいひらめきも、時が立つにつれて劣化し、破損していく。記憶というのは恐ろしいもので、時を重ねてしまうとそういった最高の瞬きをも忘却の彼方へと葬り去ってしまう。

 もしアイデアがひらめいたら。その時はすぐさま行動を起こすといい。結果的には空振りに終わってしまうことも多々あるだろう。アイデアというのは多くの場合取り留めもなく、そして不格好なものだ。しかしながら最高のアイデアというのはそういったひらめきの潮流の中に隠されているものだ。1つずつ丁寧に吟味し、そして推敲するうちに、それは見つかるのだ。

 人間の瞬間的な思考力を侮るなかれ。それは自分自身が思っているよりもずっと強大な力を持っているはずだ。

 

 

 そうしていつの日か至高のアイデアを手にすることを夢見て、今日もカードギャラリーを漁るのである。